第3回「日本の風景」フォトコンテスト(全日本写真連盟愛知県本部主催、朝日新聞社後援)の審査があり、凍てつく湖面を氷の模様もアクセントにしつつ、広大な風景を上手にまとめた簱﨑充平さん(豊田市)の「凍てる」が金賞に輝いた。
銀賞には磯貝美代子さん(豊明市)の「霧漂う」、銅賞には川口匡さん(豊川市)の「宵の語らい」と山口妙子さん(安城市)の「氷泥のとき」がそれぞれ選ばれた。
同コンテストは、四季折々の自然美、野生動物の生態、人々の営みなど、心に残る日本の風景をテーマに募集。今年度は計178点の応募があった。
その他の入賞は次のみなさん。(敬称略)
【入選】
伊藤章二(名古屋市)、松岡広実(豊橋市)、田中成憲(岡崎市)、岡島章(春日井市)、鈴木正美(豊川市)、垣見昌宏、倉知恵子(刈谷市)、織田善嗣(安城市)、鈴木智子(西尾市)、石橋法久(愛西市)
大滝村の自然湖の作品であろうか。凍てる湖面を広角で撮影した奥行き感、立木とのバランスなど広大な風景を上手にまとめた良い作品である。完全に結氷する前の氷の模様もアクセントになっているが、中心部のアンダー部分をもう少し明るく表すと、より遠近感が際立っただろう。(県本部委員長 宮田典彦)
吉野の桜を淡い色合いで切り取り、霧がわずかに掛かったところを見過ごさなかった作者の眼力には驚く。撮影技術とともに努力のたまものでもある。色合いや被写体から、女性らしい柔らかさが大変よく表現されている。(県本部委員 纐纈明美)
月の光と思われる光線を上手く利用し、海辺の幻想的な雰囲気を魅力的に表現している。岩に張り付いた「カメノテ」という貝の息づかいが、あたかも自然と対話しているように映ったという作者の感性と表現力は見事である。(県本部委員 稲富弘之)
厳しい冬の北海道に生息する動物の写真は多いが、エゾシカが凍てつく荒野の中で、厳しくも逞(たくま)しく生きる姿が感動的である。雪原の手前から、背景の水面まで奥行きがあり、土くれの泥も現実感がある。淡い光に浮かぶ姿か素晴らしい。(県本部委員 西原洋一郎)