全日本写真連盟

撮ろう!小江戸川越の正月風景

2018年秋に予定されていた撮影会が台風により中止になったため、2019年元旦から1月10日の期間中に、埼玉県川越市を自由に撮影してもらい、作品をコンテストに応募してもらう形式となりました。

審査 総本部事務局長 勝又ひろし

 最優秀賞「福銭撒き」 日高猛(埼玉県)

この写真の面白いところは、福銭を撒く人の顔も、もらう人の顔もほとんど写っていないところです。撒く手、宙を舞う福銭、取ろうとする手のみで構成された画面からは、のどかなお正月の風物詩というよりも、むき出しの人間の欲望とか、飢餓感を純粋化させたような不安感を覚えます。モノクロにしたらもっと凄みが出るでしょう。

 朝日新聞社賞「都会の初詣」 門倉一(埼玉県)

見事な構成です。大胆に紅白幕で画面を覆い、右の上下のコーナーに若者とマンションを覗かせる。「ちょっと殺風景な街角だけど、とりあえず紅白幕で隠して正月っぽくするか」みたいな、都市でのお正月の迎え方をシニカルにとらえた作品です。

 全日本写真連盟賞「神秘な空間」 野田光治(神奈川県)

陽が下がりかけてきたのであわてて穴蔵に帰る、巫女さんに化けたキツネ、といった妄想を抱く写真です。どことなく警戒気味の表情で、足早に見えるステップで歩く巫女さんを、木々、絵馬、黒い地面が囲んでいて、ちょっと背筋がヒヤッとする「あの世感」を漂わせています。

 関東本部委員長賞「屋上遊園地」 広沢重雄(東京都)

今時珍しいデパート屋上の小さな遊園地は、遊んでいる人がどんな楽しそうにしていても、寂しくて空虚な印象を抱いてしまいます。作者の意図するものではないかもしれませんが、この作品も、抜けるような青空や、空調のダクト、テントウムシのカートがその印象をいっそう濃くしてします。

 首都圏ブロック委員長賞「だるま様のお通りだい」 田中義和(埼玉県)

なにかしらダルマが写っている写真が全体の3分の1あった中、ダルマの持つ滑稽さ、傍若無人さをうまく撮影技術で表現した作品です。ゴースト、フレアを無遠慮に画面に入れて、足のないダルマが人間を踏みつけるように駆けていくような、不条理な錯覚を抱かせる作品です。

 特選

「新春の舞」 山崎良信(神奈川県)

「新春の光」 柴田勝彦(神奈川県)

「大願成就」 畠堀ひと美(神奈川県)

「お休みどころ」 一瀬富左男(埼玉県)

「棟梁」 髙橋洋司(埼玉県)

全日本写真連盟からのお知らせ

総本部
19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
総本部
19/2/15 「全日写連」ルールについて
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2022/08/01
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