審査 写真家・関東本部委員 熊切大輔
総評
大道芸のイベントという限られたテーマですが、今回もバラエティに富んだ作品が多く集まりました。そしてその表現や被写体選びは年々進化してきているように感じます。華やかなパフォーマンスの瞬間はもちろんフォトジェニックですが、始まる前の緊張感や終わったあとの安堵感など、ストーリーを感じる作品も多く見られました。加えてこのようなイベントは観客も主役のひとりです。楽しそうな笑顔など活き活きと楽しんでしる姿も魅力的な被写体と言えるでしょう。
被写体そのものの魅力も大事ですが、それを魅力的に魅せてくれるのが周辺情報です。被写体プラス背景に魅力が加われば、非常に力強い作品になります。上位作品はそんな部分も演出として効いている作品が多かった気がします。
そして何より大道芸の魅力は「瞬間性」にあります。力強いパフォーマンス、意思を持ったように荒れ狂う炎の表情。パフォーマーが見せる魅力的な表情。そんな多くのフォトジェニックな瞬間が集うのが大道芸の魅力です。そんな楽しさがぎゅっと詰まった作品が多く集まりました。
独自の目線がむしろ一般的な撮影より問われるイベント撮影。そんな難しさを楽しさに変えた受賞作品群をぜひお楽しみください。
パフォーマンスの終わり。全力を出し切った演者が胸を張って一礼。顔は見えませんがやりきった感が伝わってきます。そこで喝采の拍手が聞こえてくるような作品となっています。背景の黄昏が終幕を劇的に演出しています。
非常にフォトジェニックなパフォーマーを捉えました。本人がまるで絵画のような不思議な感覚に囚われました。カメラ目線ですが無表情なところも面白みになっています。周辺光量を落とした表現もうまくハマっています。
ダンスのパフォーマンスでしょうか。クライマックスを迎え感極まったような表情がなんと言えない魅力があります。花びらが舞う瞬間とともにその動きも含めて「ここ!」という絶妙な瞬間を捉えることができています。