全日本写真連盟

2022年首都圏ブロック撮影会「過去と未来の交差する街横浜」

審査 総本部事務局長 久松弘樹

 最優秀賞「二人で踊ろう!」 岡部美智子(埼玉県)

さわやかな秋空の青色と、ウッドデッキの茶色のシンプルな色構成の中で、女性2人のシルエットが際立っています。画像処理も周辺光量を落とすことで、素直に視点が中央の主役にフォーカスされています。野外劇場でミュージカルを演じる気分で、逆光ながら2人の笑顔も伝わってきました。

 朝日新聞社賞「空飛ぶランタン」 八代一二(神奈川県)

みなとみらいに登場したロープウェイは、新たな撮影スポットとして今回の撮影会でも多くの作品が出品されました。近辺は電線が少なく空の抜けが良く、夕刻はワイドで空を背景にゴンドラを撮りたくなりますが、作者はガラスに映る夕空に着目。望遠の圧縮効果と被写界深度を深く設定し、いずれのゴンドラにも茜色に染まった空がシャープに映っています。

 全日本写真連盟賞「風を切って」 太田笑子(千葉県)

大観覧車やジェットコースターが、間近で撮影できるみなとみらい地区は、ライトアップされたアトラクションも夜景スポットとしても人気です。作品は、大観覧車を左下に置き、コースターの光跡を左下から斜め上に配するしっかりした黄金律の構図です。長時間露光が生み出す造形が、「風を切る」スピード感を生み出しました。

 関東本部委員長賞「躍動」 渡部和範(神奈川県)

ダイナミックに踊るよさいこい。踊り手の顔はぶらさず、生き生きとした表情がしっかり止まり、背後のよさこい旗は流して動きを強調した、絶妙なシャッター速度で撮影された作品です。止める部分はしっかり止まり深紅の衣装の折り目がシャープ感を出し造形美も伝わります。

 首都圏ブロック委員長賞「港に浮いた幻」 池田良二(東京都)

横浜港に係留される帆船日本丸は、背景にランドマークタワーもあり、ついつい全部入りで撮影すると「ポストカード」的写真になりがちです。作者は、水面に映る帆船に着目、ゆらぐマストが新鮮な印象になりました。あえて、上部のトーンを落とし、全体を白くなりすぎない明るさに抑えたことで、静かな落ち着いた雰囲気の写真に仕上がりました。

 特選

「調理待ち」 加藤哲憲(埼玉県)
なんともグロテスク感のあるタイトルですが、写真はぞっとするよりも、しっとりとした雨の「チャイナタウン」の空気感が伝わってきます。窓に映る水滴、絞りも開けて撮影し、フォーカスされた前面のダックの肌の質感と造形美が表現されています。

「第二号船渠」 砂沢晃(埼玉県)
石造りのドックヤードで、ストロボ光はモデルに照らしながらも、黒ずんだドックの壁が光を吸収することを計算し撮影された作品です。表情と白いドレスのみが浮かび上がる、ファッションショーでの撮影かと思わせます。しっかり光でとらえたドレスの裾のゆらぎが立体感を生み出し、凜とした存在感を生み出しています。

「Rainy day」 佐々木美由紀(東京都)
強風の下、折れた傘を手に道を急ぐ女性。しっかり水平、垂直を保った安心感のある構図に、折れた傘とはためくレインコートの裾が、静止画ながらブレッソンの写真のような「瞬間」をとらえています。街灯や窓越しの室内と、横浜らしさを切り取ったお洒落な作品です。

「チャレンジ」 岩崎茂樹(神奈川県)
秋晴れの、市民マラソンに参加した車いすランナー。流し撮りによりスピード感が効果的に表現され、ランナーと伴奏者の赤い服がより引き立っています。コロナ感染対策でマスクをつけての参加ですが、出場できた喜びが、ランナーの笑顔から伝わってきます。カメラ側にいる沿道の人たちの声援も感じます。

「怖いもの知らず」 野﨑三郎(静岡県)
日本丸のすべての帆を広げる「総帆展帆」で、マストによじ登る展帆ボランティア。一直線に慎重にはしごに足をかけるボランティアが、グレー色調のビルを背景に、白い作業服が際立ちます。画面一番上の人から、最下部の人まで約20メートルの高さはあるでしょうか。タイトル通りの、作業される方々の度胸が伝わります。

 都県一賞(埼玉県)

「語らいの時」 須藤義秋(埼玉県)

 都県一賞(千葉県)

「夕景を奏でる」 及川世紀子(千葉県)

 都県一賞(東京都)

「コーディネート」 松永伸子(東京都)

 都県一賞(神奈川県)

「ホテルロビー」 藤島茂(神奈川県)

 都県一賞(静岡県)

「黄昏時」 大石洋(静岡県)

 入選

全日本写真連盟からのお知らせ

総本部
19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
総本部
19/2/15 「全日写連」ルールについて
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2022/08/01
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