審査 総本部理事・関東本部委員 江連康晴
【総評】
2024宮城県写真サロンへ今年も多数の応募をいただきありがとうございました。多岐にわたるジャンルの中から上位作品をセレクトさせていただきました。作品としての狙いを一枚のプリントにどう写し込んで感動を伝えるのか。その様な視点で今回の作品を選ばせていただいています。
写真は再現と表現と言われています。再現は被写体そのものをあるがままに写し込むことで、そのなかには模倣とコピーということもあります。模倣は人の素晴らしい作品をまねて撮るということであり、コピーはそのものずばり感情なしに物理的に撮ることにつながります。大切なことはそれぞれの個性豊かな感性と感情にもとづいてのオリジナリティあふれる感動を伝える作品に作り上げることです。その中には目に映らないもの、心の目に映るものをとらえることです。いわゆるこの作品は感じるね、とか言わしめる作品です。
感じるのは十人十色です。作品の中身について物語性があるとか、見る側に過去の記憶がよみがえり懐かしさを感じるとか、心の琴線に触れる作品をつくることが写真作品の表現ということにつながります。これからも撮影を楽しみながら被写体と向き合って感動を表現してください。
さて、2025年はいよいよ100周年イベント写真コンテストの募集が始まります。撮影期間は1年間の近々の撮り下ろし作品となります。「全日本写真展」はお休みさせていただきます。その代わりに「いま」を伝える作品を募集します。奮って皆さんの力作を応募してください。そして100周年を盛大に祝いたいと思います。