全日本写真連盟

2023宮城写真サロン

審査 関東本部委員長 江連康晴

総評
 今回も皆さんから75名304点の応募作品が寄せられました。ありがとうございました。力作ぞろいで審査をするにあたって苦労をしました。その中でもコロナ明けだからでしょうか、各地でイベント行事が復活して、楽しく祭り行事を味わっている様子が伺えました。トップに選びましたのも「力自慢」といったイベントの一コマを撮られた作品です。決定的瞬間の強いスナップ写真でした。他にもいろいろと自然・風景・神事等、生活感溢れる作品が多岐にわたって網羅されていました。
 写真の魅力は、その被写体に接した時の感動を伝えるために、どう表現をするのかを工夫することだと思います。其れにはツールであるカメラを駆使することもありますし、視点やレンズワークにも結果として現れます。何よりも被写体をよく観察して魅力を引き出すことが重要でしょう。十人十色で感動する部分も違いますが、作品の作り方で感動の伝わり方も変わります。ぜひ写真集や絵画集などを見て目を肥やして下さい。
 最近ではユーチューブでいろいろと写真に関する情報や知識を得ることができます。「全日写連アカデミー」も写真表現についての議論の場を録画したものを配信しています。ぜひ視聴していただき自分の写真力の幅を広げていただければ幸いです。
 2026年には、全日写連創立100周年イベントとしてのコンテストなど企画しています。皆さんの力作も是非、今から作っておいていただき応募できるよう準備のほどお願い申し上げます。そして、皆さんとともに100周年を祝いましょう。

 最優秀賞「力自慢」 藤島純七(仙台市)

心配そうに見守る見物人たち、その瞬間「え~~い‼」と気合をこめて俵を持ち上げ、「うわ~」、「持ち上げたよ!」といわんばかりのどよめきと歓声が沸き起こる決定的瞬間をとらえています。行事審判と女の子の取り合わせも面白いし、よく見ると女の子の左足が俵を持ち上げようと俵の下に入れて必死になっているのもその場の臨場感が伝わってきます。

 朝日新聞社賞「扇状棚田に春の訪れ」 吉田啓子(仙台市)

棚田といえば山間に広がる棚田を想像しますが、この棚田は幾何学模様のようにきれいに整地されています。一軒の農家を扇子のかなめのように見立ていて、その扇子を広げたような形となっていて、田植えが終わった水面に映りこんだ青空がよいアクセントとなり、扇状の棚田の美しさを醸し出しています。

 全日本写真連盟賞「深秋」 佐藤幸一(仙台市)

最初古木が目に入り、その先のあでやかな紅葉へと視線誘導されます。手前に大きく古木を取り込んでいて、その姿が何か得体のしれない生き物が水を求めて紅葉に染まる湖に現れたような感じに見えます。艶やかな紅葉と古木の対比が面白いと感じました。

 優秀賞

「雫と遊ぶ」 庄子戴子(仙台市)
雨粒が宝石のような輝きを放ち、ピンク色に染まる花びらがしっとり感の中に彩りをつけています。雨降りの中にボケ味を生かした光輝く美しさの色味と光景を感じさせられます。

「ヘソ大根作り」 庄子源六(仙台市)
昔から伝わる保存食としての生活の知恵。大根を乾燥させるこの時期ならではの風物詩としての作業風景が写し出されました。長く伸びる乾燥棚とヘソ大根を掛けようとする人物との配置がいいです。

 秀作

「ふれあい」 佐藤一之(塩釜市)

「揺れる青」 森正幸(岩沼市)

「鳴子と共に」 築舘良(仙台市)

「夏の静けさ」 和泉遼子(仙台市)

「若さ躍動」 今野功(仙台市)

 入選

 高校生の部 優秀賞

「行射」 佐藤巧弥(大和町)
的をめがけて狙いをつけるひとみにフォーカスされていて力強さと緊張感を感じます。フレーミングも無駄がなく切り取っていますが、欲を言えば左下の空白を無くすようにすればより人物の目に見る側の視線が誘導されます。

全日本写真連盟からのお知らせ

総本部
19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
総本部
19/2/15 「全日写連」ルールについて
EPSON

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2022/08/01
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