「全日本鉄道写真コンテスト2021」には 251人、898点の応募がありました。審査の結果、最優秀賞に田村陽紀さん(愛知県立瑞陵高校)の「都会の片隅」が、キヤノン賞には松尾順二さん(広島県)の「木もれ日」が選ばれました。
■審査委員長 松本 洋一(鉄道写真家)
■審査委員 関西本部長 中田 徹 関西本部事務局長 森井英二郎
【総評】
今回から審査委員長を務めることになり、どのような作品と出会えるかと楽しみにしておりました。そして思ったとおりに素晴らしい作品が多く、審査を楽しく進めることができました。
なかでも高校生以下の若い人たちの力作が多く目を引きました。最優秀賞も高校生が撮影された「都会の片隅」が審査員全員の一致で選ばれました。また、少し残念だったのは、過去に入賞された作品と同じ場所、同じ構図で撮影された作品が多く見られたことです。撮影場所は同じでも、構図やシャッターのタイミングなどを工夫して、自分なりの作品づくりを楽しんでください。
これからも、ルールやマナーを守った上での、素晴らしい鉄道写真撮影をお願いいたします。(審査委員長 松本洋一)
◇入賞作品展示日程① 12月17日(金)~ 23日(木)最終日は15時まで
<会 場> 大阪市北区中之島2-3-18中之島フェスティバルタワー13階スカイロビー
※期間中常時展示ですが、照明施設がないので日没までのご来場をお勧めいたします
◇入賞作品展示日程② 2022年1月8日(土)~10日(月・祝)10時~17時
< 会 場> テレビ大阪主催「鉄道博2022」
大阪南港ATC ギャラリー
◆表 彰 式・講 評 会 ◆ 2022年1月9日(日) 12時~13時半
< 会 場> テレビ大阪主催「鉄道博2022」
大阪南港ATC ギャラリー
審査委員長 松本洋一氏を迎えて表彰式&講評会を開催します。
テレビ大阪主催「鉄道博2022」
https://www.tv-osaka.co.jp/tetsudou2022/
撮影地 近鉄黄金駅付近
講評 写真家 松本洋一
この撮影地をご存じの方もいらっしゃると思いますが、これだけ特急車両が並ぶのは、きっと夜遅い時間まで待たれたのだと思います。入れ替え作業のため、ターンテーブルにまで連結した状態の車両が入ってきていて、タイミングよく撮影されています。おそらく何度もこの場所へと通い、ものにした作品だと思います。バックのビル群との構図も決まっています。
撮影地 木次線 油木~備後落合
講評 写真家 松本洋一
ここを走る定期列車は、1日3往復しかなく、このような光線で写真を撮影するチャンスは、天候が良くても1日1度きりだと思われます。事前にしっかりと計画を立てての撮影だと感じました。ただでさえ目を引く美しい新緑を、川面へと映して倍増させた効果が見事に決まった作品です。
撮影地 大阪市淀川河川敷
講評 関西本部長 中田 徹
鉄橋の下で練習しているのはトランペットでしょうか。通過する列車の規則的な音が反響する中で、繰り返される金管楽器のフレーズが聞こえてきそうです。殺風景な河川敷の景色の中で、若さが感じられる作品です。
撮影地 北九州市小倉北区
講評 関西本部事務局長 森井英二郎
華やかな都会の裏側で乱雑に建物が並び、くすんだ色の川が流れる。その重苦しい風景の中を縫うように、モノレールが通過していく。さわやかな青い車体が印象的で、人々の生活をつなぐ交通網としてのたくましささえ感じられます。