審査 写真家・関東本部委員 佐藤仁重
日暮れ間近、寝床へ戻る鳥の群れを背景に、働く人たちの姿を捉えました。高い電線をつたって働く電気工事士の方たちの姿だけでも凄いと思いましたが、偶然やってきた鳥の大群とのコラボレーションを写し止めたのは見事です。灰色の雲が覆う空に、シルエットとなって浮かび上がるその姿は、哀愁のようなものを感じさせます。全体的な色彩としては少々地味かもしれませんが、その一瞬を見逃さなかった内容の濃さが際立っていました。
畑に盛られた土にかぶせられたビニールのフィルムが、夕日に照らされギラギラと輝いています。明と暗そして陰と陽、光の共演をキリリとした露出で決め、迫力のある光景に仕上げるよう意識されました。ギリギリまでアンダーに調整された露出が、より強く畝の存在を際立たせています。タイトルの「赤大蛇」も作品のイメージを膨らませるものとなっていて良かったです。蛇のような動感が伝わってくるような一枚です。