動物をテーマにした「第11回全日本動物写真コンテスト」には44都道府県から377人、1739点の応募がありました。審査の結果、金賞に佐竹敦子(津市)さんの「威風堂堂」が選ばれました。
1700点を超える応募作品を拝見して一番に感じたことは、生き物達にレンズを向ける皆さんの優しい視線でした。
彼らの姿を通して命の素晴らしさや、生きていくことの価値を強く訴える作品が数多く集まり審査員一同選考には大変苦慮しました。
上位に残った作品に共通するのは、光線を上手く捉えているのと画面をシンプルに構成している点です。
金賞はさらに一瞬の動きを見事に予測した力作です。身近な被写体でも作者の主張が明確であれば見るものに感動を与えることが出来るのです。被写体の目新しさや撮影の困難さも確かに大事な要因ですが、生き物達と同じ目線に立ってよく観察して撮影することが何より大切なのではないでしょうか。
最後にデジタル化で簡単に撮影が出来る時代の弊害か、ピントの甘いものやブレがかなり目立ちました。撮影から仕上げまで細心の注意と愛情を込めて作品に向き合うことを心から願います。
山本純一