全日本写真連盟

第18回 全日本動物写真コンテスト

「第18回全日本動物写真コンテスト」には271人、911点の応募がありました。審査の結果、野生部門 最優秀賞に今川美佐子さん(大阪府)の「春日散策」、一般部門 最優秀賞に中田達男さん(神奈川県)の「ボヨヨ~ン」が選ばれました。入賞作品は7月11日から27日まで大阪中之島フェスティバルタワー13Fで展示されます。


■審査委員長 今森光彦(写真家)
■審査委員   山中健次(関西本部委員長)、田中 賢(関西本部委員)、浅野哲司(関西本部長)


【総評】
 今年も数多くの応募をいただきありがとうございました。どの作品も力作ばかりで、審査員一同たいへん楽しく拝見をさせていただきました。
 今回は、動物の生態をよく知っていないと撮れない写真や、愛情がないと出会えない瞬間など、作品のバリエーションは豊かだったと思います。生命に対するものの見方や、自然への関心の高さなどが伝わってくる作品が多かったのが嬉しいです。
惜しくも受賞をのがされた方も、次回はぜひがんばってほしいものです。(審査委員長 写真家 今森光彦)


■主催 全日本写真連盟関西本部 朝日新聞社
■協賛 エプソン販売株式会社 株式会社エツミ

 野生部門最優秀賞「春日散策」 今川 美佐子(大阪府)

講評 写真家 今森光彦
瞬間のチャンスをうまくとらえられた写真は、実に感動的です。それは、動物写真ならではの醍醐味でしょう。オオセンチコガネというコガネムシが、倒木から飛び立った瞬間の写真です。真横のポーズが生き生きとしていてとても緊張感があります。しかし、この写真の魅力は、背景にあります。シカがいる草原をうまく写し込んだことによって、環境への眼差しと生態的な意義が感じられる作品になりました。

 一般部門最優秀賞「ボヨヨ~ン」 中田 達男(神奈川県)

講評 写真家 今森光彦
フラミンゴが、餌を食べるために水面に顔を入れる瞬間の写真です。絵にも描けないような水の動きと、フラミンゴの目の膜が閉じられるまさにその一瞬、肉眼ではとうてい見ることができない貴重な写真です。フレーミングもとてもいいです。動物園で撮影されたと思いますが、野生の状態だとこのような迫力ある写真は、撮れなかったに違いありません。動物写真は、まだまだ面白い、そんな期待をもたせてくれる秀作です。

 野生部門優秀賞「好奇心」 菊川 雅哉(神奈川県)

講評 関西本部委員長 山中健次
この動物はムササビかな?木の幹の穴からちょこっと顔を出したところを真正面からパチリ。目が大きくて、愛くるしいです。

 一般部門優秀賞「祭りの日」 倉知 恵子(愛知県)

講評 関西本部委員長 山中健次
 動物をアップか、強調的に捉えている作品が多い中、簾の間から出てきた小犬を小さくスナップ。祭りの情景も含めて表現しています。

 野生部門準優秀賞「雄叫び」 吉田 俊雄(福井県)

講評 関西本部長 浅野哲司
きれいな構図で、絶妙なシャッタースピードと露出でとらえました。息づかいと右目から、鳴き声が聞こえてきます。

 野生部門準優秀賞「親子でお出かけ」 園部 治之(兵庫県)

講評 関西本部委員 田中 賢
 陽光に輝く雪山のラッセル道を歩む猿たち。餌を求めての下山であろう。猿の配置の妙、繊細な雪の質感描写などで、野生動物の普通の行動を美に昇華した秀作です。

 野生部門準優秀賞「定家葛の花咲く頃」 渕上 忠臣(福岡県)

講評 関西本部委員長 山中健次
 白い花が咲く定家葛を背景に、木からぶら下がりながらシマヘビが交尾をしているようです。ドキッとしました。シュールですねぇ。

 一般部門準優秀賞「食いしん坊ですが何か?」 小林 裕之(埼玉県)

講評 関西本部委員 田中 賢
 餌付けされた猿でしょうか。人参を口に銜え、両腕で抱え、そして足でも掴んでいる。食の獲得という動物の本能を活写した作者の観察眼は秀逸です。

 一般部門準優秀賞「初春」 梁井 英雄(三重県)

講評 関西本部委員 田中 賢
 水面に浮かぶ花弁と戯れているような白い鯉の姿態が何かの妖精のように  表現されています。神秘的な作品に仕上げた作者の感性と技量は素晴らしい。

 一般部門準優秀賞「視線」 真角 伸子(福岡県)

講評 関西本部長 浅野哲司
サルだとわかっていても、モノクロのせいかヒトにも見えてくる不思議さ。額縁のある「肖像画」ようです。

 野生部門入選

 一般部門入選

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2022/08/01
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