全日本写真連盟

「第62回この日この時撮影会」審査結果


  指定された日の出来事を報道的な視点でとらえる写真コンテスト「第62回この日この時撮影会」(朝日新聞社、全日本写真連盟中部本部主催)の審査があり、小島爲玖生さん(横浜市)の「三年ぶりの思いを込めて」が金賞に選ばれたほか、入賞作全点が決まった。  今年は撮影日を8月15日に設定。世界情勢が不安定なことに加え、新型コロナウイルスの終息も見えない中、東海3県を中心に、北は岩手県から南は沖縄県まで、26都府県の113人から計448点の応募があった。

審査員は、伊藤滋・中部本部委員長、山﨑朗・愛知県本部副委員長、鈴村龍佑・岐阜県本部委員、牛場和美・三重県本部副委員長、久松弘樹・全日本写真連盟総本部事務局長の5氏が務めた。


金賞

「三年ぶりの思いを込めて」 小島爲玖生(横浜市)

金賞受賞者コメント

「8月15日」ということで、やはり「終戦記念日」が思い浮かびました。インターネットで、当日の行事がないか検索すると、自宅からバスで約20分の所で、30年以上続くという「大岡川とうろう流し」が3年ぶりに実施されることを知りました。現地には開始時間の約2時間前の午後5時に到着。受付では、とうろうに「世界平和」と記して納め、撮影を待ちました。 ところが、「とうろう流し」はなかなか始まらず、周囲はどんどん暗くなってしまいました。ようやく行事が始まり、写真が荒れない程度に感度を上げて、何とか撮影できました。これからも、難しさの一方で魅力を感じている、暗さの中での写真を撮り続けていきたいと思います。

銀賞

「命の送水」 高橋敏郎(愛知県岡崎市)
「大切な友だったよ」 安部民子(大分県宇佐市)

銅賞

「夜が待ち遠しいね」 岡本明(愛知県刈谷市)
「再会」 山川充子(三重県鈴鹿市)
「『ナナちゃん』のご案内」 西原洋一郎(名古屋市)

入賞者一覧(敬称略)

●金賞:小島爲玖生(横浜市)
●銀賞:高橋敏郎(愛知県岡崎市)、安部民子(大分県宇佐市)
●銅賞:岡本明(愛知県刈谷市)、山川充子(三重県鈴鹿市)、西原洋一郎(名古屋市)
●入選:【愛知県】外勢肇(春日井市)、水野政義(豊田市)、谷昇(大府市)【岐阜県】林秀元(可児市)、中辻和子(関市)【三重県】植木政弘(鈴鹿市)、國本三郎(同)、竹内喜代美(四日市市)、中村昭夫(同)、米村善廣(津市)、玉山健司(伊勢市)、中林和男(同)、城島正子(伊賀市)【東海3県以外】見富昌信(さいたま市)、小林千津子(埼玉県川口市)、島田章二(東京都台東区)、岡本洋三(東京都世田谷区)、寺尾美代子(福井市)、池田新一(大分県中津市)、小泉次郎(松山市)

総評

 8月15日「終戦記念日」とはっきりとテーマを考えさせる日が設定され、戦没者の慰霊など「平和」に向き合った作品が多かった。一方、コロナ禍で3回目のお盆休み期間。感染対策に留意しながら、里帰り先で再開された祭り、アウトドアイベントを撮影した作品の応募も見られた。少しずつ、社会が動き始めている印象を受けた。  金賞の「三年ぶりの思いを込めて」は、コロナ禍で3年ぶりに行われた横浜市での灯籠流しの写真。対岸から高感度での撮影だが、画像が荒れることなく、ろうそくと頭上からの照明が逆光となり、訪れた人たち一人一人の平和を願う思いが浮き上がっている。  銀賞の「命の送水」は、愛知県豊田市の取水施設で大規模漏水が発生し、応急処置で大量に設置された給水用ホースを撮影した写真。事情を知らないと造形作品の写真かと見まがうが、田植え直前の農家や自動車工場に大きな影響があったニュースを読むと、画題とあわせて事故の甚大さが伝わる象徴的な写真。  「大切な友だったよ」は、大分県宇佐市に伝わる、豪華な「御殿灯籠」を飾り、故人を供養する初盆行事を撮影した写真。友人の遺影に寄り添い深々と頭をさげ、手をあわせる女性に故人をいとおしむ思いが伝わる。  入選外の作品は絵柄や題材はよくても、発色や鮮明さが過度に強すぎるなど、画像加工で惜しまれる作品が見受けられた。最後のプリント仕上げを追い込み、上位入賞を目指してほしい(全日本写真連盟総本部事務局長 久松弘樹)

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2022/08/01
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