全日本写真連盟

デジタルカメラの「楽しみ表現」 自分流 ⑬ 多重露出と合成その4

【関東本部委員・佐藤親正】
多重露出の方法の中で創作性が高いと思います方法を説明してまいります。今までの多重露出は「ピントの合っている画像とボケの画像」など画像が重なる方法ですが、これから説明致します方法は「画像と光」の組み合わせで、クリアーな作品に仕上がります。フォトショップを使って合成する事で簡単に制作できる場合も有りますが、工夫して撮る楽しさは格別で、頭の体操のような気持ちで楽しく撮影しております。これらの撮影には、三脚を使う事が出来ない場面もあります。

[写真-1 蓮]

多重露出で創作性の高い表現
【写真-1 蓮】蓮は均等で平行に描かれている花びら模様が美しいと思います。花びら模様を強調して蓮の花を表現したいと考えて多重露出を思いつきました。この方法は、1回目の画像に2回目で光と影を写し込む事で、濃淡を付けます。つまり、2回目の露出で光が写された部分は白っぽく淡くなり、影の部分は1回目の露光がそのまま残ります。この多重方法は、2回の露光とも適正露出で撮りますので、多重露出の自動で露出を振り分ける「自動ゲイン」は使用しません。
撮影プロセス①蓮の花園で、大きく開いた花と少し開いた形の良いつぼみをさがしました②カメラに多重露出をセットします。多重露出回数は2回、自動ゲインは(しない)です③マクロ機能があるレンズを使い大きく開いた蓮の花に近寄り、1回目の撮影を適正露出で花を画面一杯に撮りました。④2回目の露出は、形の良いつぼみをシルエットになる様に下から空に向けて空の適正露出で撮りました(空が露出オーバーにならない様に注意)⑤カメラが多重露出の1回目と2回目の画像をカメラの中で自動的に合成した写真が「写真-1 蓮」です。
説明 1回目の画像が2回目露出で空の部分は淡くなりますが、シルエットのつぼみの部分だけが1回目の適正露出のまま残りました。2回目の露出を明るく撮ると1回目の画像は淡くなり2回目の露出を暗く撮ると1回目の画像は濃くなります。
〈データ〉ニコンD2X ニッコール18-300 F3.5-6.3 ISO100 絞り優先オート F6.3 1/1000秒(1回目露出データ)ホワイトバランス オート 2008.8.6. 古河市

[写真-2 夕暮れ]

【写真-2 夕暮れ】夕暮れの空を多重露出で表現し、創作的な作品にしました。
撮影プロセス①絞り優先オートで空だけをテスト撮りします。②適正露出をマニュアル露出に置き換えます(下半分の暗部が露出に影響しない為にマニュアル露出にします)③多重露出をセットします。多重露出回数は2回、自動ゲインは(しない)です④地平線が中央より少し上になるフレーミングで1回目を撮りました⑤2回目の露光はカメラを上下逆にもって1回目と同じようなフレーミングで同じ露出で撮りました(シャッター位置が逆になりますので、戸惑うと思います。位置確認をしてください)⑥カメラが多重露出の1回目と2回目の画像をカメラの中で自動的に合成した写真が「写真-2 夕暮れ」です。
説明 1回目の撮影で地平線より下が黒くつぶれるほど画像が鮮明になり、下に明るく光る物などが在りますと残像として残ってしまいます。
〈データ〉ニコンD700 ニッコール28-300 F3.5-5.6 ISO 200 マニュアル露出 F5.6 1/500秒(1・2回目露出データ)ホワイトバランス オート 2013.12.11. 行田市

[写真-3 丸山古墳]

【写真-3 丸山古墳】以前に[参考作品-3 現代丸山古墳]を大判(4×5)のフィルムカメラで3回の多重露出で撮りました。日中に太陽だけを何枚か撮っておいて、太陽が下に落ちて古墳がシルエットになってから撮影した作品です。デジタルカメラは撮りためてからの多重露出ができませんので、太陽を入れる事を断念して表現しました。
撮影プロセス①絞り優先オートで空だけを赤フィルターを付けてテスト撮影をしました②そのベストの値がF5.6・1/125秒でしたので、マニュアル露出にしてセットしました③多重露出をセットします。多重露出回数は2回、自動ゲインは(しない)です④1回目の露光は赤フィルターを付けて古墳の位置を考え、古墳の位置を頭の中に覚えて撮影しました⑤2回目の露光は青フィルターを付け、カメラを上下逆に持ち、1回目より少しアップにフレーミングして1回目の古墳の位置と合うように撮りました。⑥カメラが多重露出の1回目と2回目の画像をカメラの中で自動的に合成した写真が「写真-3 丸山古墳」です。
説明 空と古墳の明るさの違いを利用した撮影です。空の露出で撮影した時、古墳が黒くつぶれる事で2回目の古墳が写り、1回目の古墳が消えないのです。
〈データ〉ニコンD700 ニッコール28-300(1回目35ミリ域・2回目50ミリ域) F3.5-5.6 ISO 200 マニュアル露出 F5.6 1/125秒(1・2回目露出データ)ホワイトバランス オート(1回目露出に赤・2回目露出に青フィルター使用)2013.12.11. 行田市

[参考作品-1 野焼き]
【参考作品-1 野焼き】渡良瀬遊水地の野焼きです。多重露出の1回目は太陽だけを撮り、2回目に野焼き風景を撮影しました。

[参考作品-2 丸山古墳]

【参考作品-2 丸山古墳】写真-3と同じ撮り方で、フィルター無しの作品

[参考作品-3 現代丸山古墳]
【参考作品-3 現代丸山古墳】フィルム撮影で3回の多重露出撮影の作品


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