「写真 いま、ここに」。サブタイトルが表紙に控えめに記されているが、文字どおり、日本の写真の「いま」が、「ここに」収まっている。いま、この時代、つまり、「ここに」写真が存在することの意味を考えるうえで、必見の一冊である。毎年6月1日の「写真の日」に発行していた『日本写真年報』を大幅に見直し、名称も『日本写真年間』と改めて、読み応えのある内容になった。
日本写真協会賞作家賞にはじまり、土門拳賞、木村伊兵衛賞、林忠彦賞、写真の町東川賞、JPS展文部科学大臣賞、新聞協会賞、国際写真サロン審査員特別賞、各メーカーのコンテストなど、国内の主だった写真賞の受賞作品50点余りを最初に紹介。続いて、2012年の「話題の写真」についての座談会や、昨年亡くなった東松照明、石元泰博の両氏を含めて15人の写真家や写真と関わりの深い作家、アートディレクターらのインタビュー特集という構成。それに、評論家らが選ぶ「2012写真ベスト3」、昨年全国で開かれた写真展などを紹介している。
(発行:公益社団法人日本写真協会。定価3000円+送料160円。問いあわせ先は同協会で、電話03-5276-3585)