全日本写真連盟支部対抗戦2019は全国から249(前年比+23)の支部が参加し、集まった約3,360点(同+287)の作品の中から、風景・ネーチャー部門、自由部門でのそれぞれ30位(31支部)、24位(35支部)までの支部が選ばれました。
審査 写真家・関東本部委員大西みつぐさん、写真家・高砂淳二さん、大野明・朝日新聞東京本社映像報道部長、浅野哲司・同大阪本社映像報道部長、伏見美雪・アサヒカメラ編集長
立会人 谷田川勝喜・理事、佐藤親正・関東本部委員長、伊藤滋・中部本部委員長、松井寛・西部本部委員長
【審査方法】
審査員が投票を、風景・ネーチャー部門では5回、自由部門では8回繰り返して絞っていった。最終選考は写真家が中心となって合議により上位作品約30点を決定。作品には通過レベルによって1~10ポイントの点数が付けられ、各支部での上位5作品のポイント数を合計して順位を決めた。同点の場合は6作品目以降の点数を参考にして決定した。(この作業は10位まで)
「まなざし」 土田喜代治(郡山支部<福島>)
卒園式。カメラ位置の選択は案外難しいものです。「角度」だけの問題だけてなく背景や前景も大事な要素。それらを全てきれいにバランスさせて一枚にしています。そして何よりも女の子の凜とした目が可愛い。いい瞬間でした。(大西)
「幕間」 中村邦夫(郡山支部)
いわば楽屋でのひとときなのですが、緊張感や非日常感とは別の雑然とした中の「無為な時間」というものが表現されています。二人ともスマホを触っているのも現代的。そして男性の左手の食べかけの饅頭がこの時間そのものを象徴させています。(大西)
「収穫」 橋本ケイ子(郡山支部)
真剣にキャベツを手にしている姿は、先日の「 ラグビーW杯」のワンシーンにも似て、畑もまた神聖なフィールドだと思わせます。単なる「しぐさ」にながれるのではなく、速いシャッターで人間の真摯な営みを写しとった作品です。(大西)
「避難8年故郷遠し」 松村喜一(郡山支部)
満開の桜の風景がこんなに悲しいものだとは誰も思わなかったはず。帰りたくとも帰れない地域がこの先に続いている現実を穏やかに伝えています。とても控えめなショットですが、的確で配慮の効いた写真になっています。(大西)
「暑い夏」 野﨑洋文(郡山支部)
髪型も懐かしい子どものいる風景は、日本ではないどこかの国の村か。虫除けのためか網のカーテンが柔らかなトーンと雰囲気を作っています。こうした細かな質感の再現は生活感を表現することにもつながっていくものと思えます。(大西)
「大移動」 江川豊治(ならやま支部<奈良>)
力士が一斉移動する際に使う列車を「相撲列車」というが、たまたま乗り合わせたのだろうか。巨体で満席の様子、網棚も満杯、見ていて楽しい。ドアを額縁にして「のぞき見た」雰囲気を生かしたのが功を奏した。(大野)
「先導さん」 鳥谷祐子(ならやま支部)
図らずも「先導さん」になってしまった女性の悠々とした歩みと、後ろに続く男性のそれぞれの態様がユーモラスで、楽しい作品に仕上がった。足元の現代風のスニーカーも利いている。(大野)
「黄昏」 和田 修(ならやま支部)
黄昏時は多くのカメラマンが狙う時間帯だが、とても良い場所を見つけたものだ。光源の違う電灯、手すりのカーブ、昭和の雰囲気が漂う家並み、この場所だけで写真集が作れそうだ。ロケハン力は写真力に直結する好例。(大野)
「視点」 常峰利次(ならやま支部)
まだガチガチの新人カメラマンの頃、「写真はもっと遊ばないと」という先輩の言葉が忘れられない。どれだけ遊ぶか、撮っている自分の楽しさを伝えられるか。ただ、面白い、それだけで十分。見ていて楽しくなる写真だ。(大野)
「茫然」 永田光代(ならやま支部)
太陽に向かって立ち尽くす捕手。何を想っているのか、見る人がそれぞれ物語を感じる作品になっている。高い位置から地面に抜くショットは、音を消す効果がある。喚声が聞こえない静かな一瞬をうまく作り上げた。(大野)
「夢の中へ」 小宮実千穂(TOKYO D・K・F支部)
「混沌の予感」 矢野直孝(TOKYO D・K・F支部)
「生涯現役」 柿沼春枝(TOKYO D・K・F支部)
「え!だれ?」 三上明美(TOKYO D・K・F支部)
「金色のだるま」 本多喜郎(TOKYO D・K・F支部)
「たくましく」 加藤利光(沼津支部<静岡>)
「ぼくらの遊び場」 野﨑三郎(沼津支部)
「一時の出会い」 梅原邦隆(沼津支部)
「猫に化ける」 若林 茂(沼津支部)
「始発前」 渡邉修一郎(沼津支部)
「髪結い」 水野政義(刈谷支部<愛知>)
「時の流れ」 星 輝弘(刈谷支部)
「窓辺」 織田善嗣(刈谷支部)
「ホバ-ボード」 助川正義(刈谷支部)
「がまん」 平野成明(刈谷支部)
「ご機嫌いかが」 近藤茂樹(はまぐり支部<三重>)
「ファンタスティック」 佐藤香代(はまぐり支部)
「心弛む刻」 水谷純司(はまぐり支部)
「祈り」 伊藤則夫(はまぐり支部)
「帰り道」 蓮本和雄(はまぐり支部)
「春に誘われて」 山本洋子(県央支部<新潟>)
「出番前」 田中日登志(県央支部)
「帰り道」 長野洋三(県央支部)
「負けてたまるか!」 丸山健太郎(県央支部)
「夢中」 渋木高志(県央支部)
「雪降るプラットホーム」 桜井博之(魚沼支部<新潟>)
「大寒の朝」 桜井公夫(魚沼支部)
「火の祈り」 菊地和好(魚沼支部)
「雪花火」 櫻井信夫(魚沼支部)
「冬来たる」 外山和子(魚沼支部)
「雪にも負けず」 岩崎茂樹(イマージュフォト支部<神奈川>)
「夜明けの祈り」 中沢賢治(イマージュフォト支部)
「終焉」 西山英幸(イマージュフォト支部)
「お花見」 内田 剛(イマージュフォト支部)
「小さな橋の午後3時」 小杉美千代(イマージュフォト支部)
「真似る」 藤田 治(東住吉秀光支部<大阪>)
「コイ娘」 木下修二(東住吉秀光支部)
「モンスター」 吉田武郎(東住吉秀光支部)
「午睡」 高石志奈枝(東住吉秀光支部)
「観る」 宮野末男(東住吉秀光支部)
「盆の頃」 佐藤弘明(稲沢支部<愛知>)
「烈火」 大原 守(稲沢支部)
「夢心地」 小久保繁樹(稲沢支部)
「ごあいさつ」 安藤雅和(稲沢支部)
「至福の一服」 大花征也(稲沢支部)
「動く絵画」 小川 賢(旭支部<神奈川>)
「生きる」 鈴木和子(旭支部)
「手あそび」 鳥山妙子(旭支部)
「お囃子」 皆川幸恵(旭支部)
「宵宮」 宮嶋節子(旭支部)
「特等席」 西村充康(学園前支部<奈良>)
「静寂」 梅田充紀(学園前支部)
「走るカップル」 大崎哲嗣(学園前支部)
「疾走」 洞 正明(学園前支部)
「若者ストリート」 小川 勉(学園前支部)
「思い出の学び舎」 星野辰夫(東京B&W支部)
「影と踊る」 今堀信明(東京B&W支部)
「いつもの朝」 金子昌子(東京B&W支部)
「あと一息だ!」 斯波芙美(東京B&W支部)
「行商」 古清水輝光(東京B&W支部)
「散歩道」 井出朋子(カメラガール備後支部)
「記念撮影」 原田芳子(カメラガール備後支部)
「迫る」 近貞悦子(カメラガール備後支部)
「メルヘン」 藤江洋子(カメラガール備後支部)
「高所作業」 湯浅百合子(カメラガール備後支部)
「雨天に舞う」 後藤三枝子(春陽クラブ<三重>)
「消えゆく商店街」 辻 隆司(春陽クラブ)
「サハラの男」 木下富子(春陽クラブ)
「show window」 松下 登(春陽クラブ)
「フィナーレ」 八幡浩司(春陽クラブ)
「鉄人レース」 徳本順一(鎌倉支部)
「契り」 阿部成子(鎌倉支部)
「日影絵」 鹿島敏麿(鎌倉支部)
「社交界デビュー」 酒井天栄(鎌倉支部)
「波のいたずら」 佐田哲男(鎌倉支部)
「ひと休み」 多木一夫(ぐるっぺ「ヒロ」<兵庫>)
「だいじょうぶ?」 中山隆司(ぐるっぺ「ヒロ」)
「休憩中」 田中安代(ぐるっぺ「ヒロ」)
「アナタを思い」 安西成文(ぐるっぺ「ヒロ」)
「へこみ」 浦狩一男(ぐるっぺ「ヒロ」)
「ひょっこりさん」 久家弘子(朝日フォト2003支部<大阪>)
「雨の日」 引原清晴(朝日フォト2003支部)
「鉾が行く」 平野三郎(朝日フォト2003支部)
「里山の朝」 松岡泰子(朝日フォト2003支部)
「凛として」 森山登志子(朝日フォト2003支部)
「お相撲さんと遊ぶ」 橋本 博(デジタルスクール支部<埼玉>)
「裏通り」 一瀬富左男(デジタルスクール支部)
「収穫」 吉田義一(デジタルスクール支部)
「視線」 戸津井直次郎(デジタルスクール支部)
「携帯を見て!」 箕田 勇(デジタルスクール支部)
「パミーナの母」 吉田義隆(東住吉901支部<大阪>)
「祭りの子」 中矢明治(東住吉901支部)
「夜狐」 福森浩子(東住吉901支部)
「若者」 今川美佐子(東住吉901支部)
「昭和の香り」 吉田 均(東住吉901支部)
「Road Art:朝練の人」 佐々木久(上尾支部<埼玉>)
「エイ、ヤー」 小川勝也(上尾支部)
「これ なあーに?」 菊地博子(上尾支部)
「一服の刻」 高橋信子(上尾支部)
「故郷の灯」 横谷廣夫(上尾支部)