お父さんがマラソンでフィニッシュする瞬間に家族もいっしょになってゴールする。こんな状況はめったに起こることではない。まさに歓喜の瞬間であり、家族にとっては最高に幸せな瞬間である。最高の思い出になる写真でしょう。作者はそのチャンスを狙い、カメラポジションを選んだのだと思います。その狙いが最優秀賞をうんだのです。
飼育員とシロイルカのイベントの一シーンをとらえたものでしょう。観客席の上部から中望遠レンズで、ブルーの水の中で立ち泳ぎをする飼育員とシロイルカ。飼育員の顔にキス?をする瞬間を写している。なによりもブルーの水面に白いイルカが中央に写し込まれており、画面効果としても満点の作品です。
もちろんこれだけの子どもたちを乗せて走ることはないし、子ども自身がスクーターを走らせることはできない。作者の演出でしょう。演出写真であっても子どもたちの元気な表情が画面いっぱいに写し込まれている。そのわんぱく少年たちの自然な雰囲気が“人間大好き”“友だち大好き”を表現しています。
深川八幡宮の祭りは神楽に水をかけるので有名です。水をかけてもらい、家族全員が喜ぶ表情が素敵です。東京の下町の人たちの幸せの瞬間を写し撮っている。画面を覆う水しぶき、背景の雑踏も主役の家族たちを引き立たせる脇役になっています。
私は人生はドラマだと思っています。赤ちゃんの寝ているのもドラマの一シーンだと思います。赤ちゃんの表情がさわやかで素晴らしい。平和そのものの寝顔です。白いシーツや肌着にたいして、黄色いよだれかけ、ブルーのタオルがさわやかな表情をいっそう強く表現しており、赤ちゃんが神々しく見える寝顔です。