鉄道写真家の中井精也さんを講師に招いての高校生写真教室(全日本写真連盟主催、ニコンイメージングジャパン協賛、エプソン販売協力)が10月27日、東京都の都電荒川線沿線で開かれました。首都圏や長野県から10校の生徒と写真部顧問34人が参加しました。
台風一過で雲一つない晴天に恵まれる中、都電荒川線三ノ輪橋駅に集合した一行は、中井さんと一緒に都電荒川線沿線を散策しながら撮影しました。
中井精也さんは参加者にどのレンズで撮影するかを考えてから撮る訓練をすることを強調しました。この日は青空の反射を抑えるため、ホワイトバランスは「晴天日陰モード」を活用することも伝授。その場で撮影した作品をカメラのディスプレーに表示して参加者に示していました。
晴天ということもあり、日なたと日陰で大きく露出が違うため、主題と副題の明るさを合わせて撮ることも、作例を実際に撮影しながら納得してもらっていました。
また、中井精也さんが得意とする、植物の葉の反射を利用してイルミネーションのような効果を出す「葉っぱイルミネーション」の撮影法も伝授しました。
午後は朝日新聞東京本社に会場を移して、一人2~3点の作品をプリンターでプリントし、全員が中井精也さんの講評を受けました。
中井精也さん自身がこの日都電荒川線撮影会で撮った作品もすぐにプロジェクターで上映しました。
その後の講義では、まもなく10年を迎えるブログ「1日1鉄」を紹介しながら「写真で何を見せたいか、ゴールを決めて撮影する」「撮っていてワクワクするものを探し、会ってほしい」と若い人たちにエールを送りました。
中井さんは「手紙で風景を描写するように写真を撮ってほしい。ただ写真は手紙と違い、自分の見せたいものを強調して見せることが大切」と話します。そのためには、風景を見たときにどう切り取り、表現するかを想像する「写真想像力」が大切だと話していました。
その後行われたスライドショーでは、都電荒川線を舞台にしたもののほか、娘への愛情をテーマにしたものや、鉄道とそれに乗っている人の夢を通じて鉄道への思いを伝える「DREAM TRAIN」シリーズなど5本以上を披露し、充実した撮影会・講評会の時間はあっという間に過ぎました。