全日本写真連盟

三脚を使って「楽しみ表現」自分流⑧ 懐中電灯の活用 その1

【ライト-1】

私は、フィルムカメラの頃から懐中電灯(以下ライト)を使う撮影をしていました。ライトを被写体に当て露出計やカメラのスポット測光で計り露光時間を決めたものです。今は、デジタルカメラを使うようになったので、ライト撮影も楽に撮れるようになりました。少し慣れれば一、二度のテスト撮影をモニターで繰り返し確認して自己表現の露出を決められるでしょう。    【関東本部委員・佐藤親正】

電球のライトを当てますと赤みが強くなり、彼岸花や紅葉には良い効果が有ると思います。カメラのカラーバランス設定を電球にしますと、ライトの部分が自然光のように写り、周りは青みがでます。
今では、LEDライトが主流になっております。LED光は、電球光より赤みが無く自然な表現に近くなります。最近では、LED光源の色温度を電球光から自然光まで調整できるライト(LED-1の写真)も発売されて、ますますライトの表現作品が増えてくると思います。  
これから、補助光として、ライトの使い方を説明します。朝夕や陽の当たらない薄暗い処での撮影に効果を発揮します。ライトの光は弱いので、全体に照射しても効果は期待できません。スポット照射をお勧めします。使い方を考えると用途は多く自己表現の作品が撮れます。
露出は「絞り優先オート」のままでライトを当てて撮れる条件もあります。ライトを当てる事で露出が変化して背景の表現が変わるような時はマニュアル露出で調整します。絞りはライトの強さや被写体との距離などから決めます。難しく考えるより何度かテスト撮影を繰り返す方が早く、適切な露出を得る事が出来ると思います。

写真1

【写真-1 停船】 写真は一昨年の福島県南相馬市で実施された「家族の肖像撮影プロジェクト」に参加した時に写した松川浦の夜明けです。東の空が赤らんで、周りはまだ暗い状況でした。手前に停船している船の白い船体を表現したいと考えました。そこで、手元に在った小さな8センチのLEDライトを使用することにしました。手元を見るためのライトですから当然撮影用のライトとしては弱いのです。ライトを当てる船体が白いので、なんとか効果を出せると思い撮影をしました。
撮影プロセス①三脚を使いアングルを決めます②背景の表現を考えて、絞りをF10に決めました③絞り優先オートでは、暗すぎて露出測定不能の表示になりました。なので、マニュアル露出で絞りF10 シャッタースピードを15秒でライトを当てて撮ってみました④その結果は、背景も船も暗かったので、シャッタースピードを25秒に変更して、ライトを当てて再度の撮影をした作品です。弱い光でも白い船体を表現できました。 〈データ〉ニコンD700 ニッコール28-300 F3.5-5.6 ISO200 マニュアル露出 F10 25秒 2011.12.11.

写真2

【写真-2 しぶき】栃木県の粕尾川で撮影した峡谷の小滝です。この日は、曇天で薄暗く感じる天候でした。この条件を生かして、太陽の光が強い時には写しにくい陰の部分にライトを使って写してみたいと思い、単1乾電池6本用の少し大きな電球ライト(ライト-1の写真)を持って谷に入りました。この作例は、小滝に打たれている丸い岩に赤みをおびた模様が有り、その模様をライトで表現しようと考えました。なぜライトなのか?疑問に思われるでしょうが、もし、ストロボを使えば、ストロボの当たった箇所の水は止まり、水が強く強調されて表現したい岩は水に隠れて見えなくなってしまいます。ライトは岩だけにスポットで当てられ、岩の周りの水流はそのままで表現できます。
撮影プロセス①安全に三脚を立てられる場所を確保します。滝に近づきすぎるとしぶきがレンズに付いてしまうので少し離れて三脚を立てました②主題の岩を中心に流れの中に岩が存在するイメージで画角を決めました③ライトを使用しないでテスト撮影をしました。水の流れの表現などを確認して、絞り優先オートで絞りF11で補正なしに決めました。絞りF11の時、絞り優先オートのシャッタースピードは0.3秒でした④岩にライトを当てて絞り優先オートで確認すると、シャッタースピードは0.3秒で変わりませんでした。なので、この条件で撮影しました。
〈データ〉ニコンD2X 18-200 F3.5-6.3 ISO100 絞り優先オート 補正±0 F11 0.3秒 2007.8.15.

【LED-1】

【LED-1】について、このLEDライトを使用して【ライト-1】を撮影しました。撮影はバルブでセットをして、部屋を暗くしてLEDライトを手で持ち周りから弱く光を当てて撮りました。発売元は㈱ケンコーです。明るさも無段階調光ができ、色温度は2800K~6500Kまで切り替えることができます。少々お高いのが、残念ですが、優れものだと思います。


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