全日本写真連盟

写真集「釜石 古き良き時代」を発行/仮設住宅で暮らす釜石支部長

写真集「釜石 古き良き時代」

今年85歳になる小川誠也さん(全日写連釜石支部長)は今、釜石市の仮設住宅に独りで住んでいる。2年前の東日本大震災で奥さんが津波の犠牲になり、病床の一人息子もほどなく亡くなった。なれ親しんだ郷土の自然を含め、愛していたものをすべて失い、生きる望みをすっかり絶たれてしまった。
小川さんは、郵便局退職後に奥さんの夢だったレストランを始める。自身も東京へ出向いて、コーヒーのおいしい入れ方を習得する。手作りのケーキが評判の洋風の瀟洒なレストラン「おがわ」は自宅兼用で、地域の人たちの集いの場にもなっていた。その建物も津波と震災で壊れ、撤去が決まる。その2階には60年にわたって小川さんが撮影した膨大な郷土の写真があり、それもまた、廃棄処分の運命だった。
写真仲間で同じ全日写連会員の遠藤顕一さんは、それを聞いて「半世紀もの釜石の記録の消滅に内心ビックリした」。小川さんの元に駆けつけて相談し、写真集をつくることになった。遠藤さんは奥さんと二人でふた月かけてがれき化した家の中からの写真資料を探し出した。
編集に際しての小川さんから遠藤さんへの注文は「きれいな風景も良いが、ドキュメンタリー的な生活臭のある写真を選んで欲しい」。大震災から2年後の今年3月11日に発行された写真集には、小川さんが得意とする日の出の写真はない。そこには、元気で躍動感のある港町、そして鉄の街として全国に知られた釜石の懐かしい光景がたくさん写っている。「私は何にもしなくて、遠藤さんをはじめみんなのお陰で写真集ができあがりました。私をここまで支え、立ち直らせて下さった方々に心より感謝します」と小川さんは話している。
「釜石の街は壊滅的な被害を受け、全盛期の釜石の様子を知る術はなくなっていましたが、古き良き時代の釜石を伝える稀有な写真集がここに完成しました。この写真集は多くの釜石市民や釜石ゆかりの方々、特に被災した市民の方々に勇気や希望を与える『釜石の魔法の写真集』になるものと確信しています」。小川さんと交流のある地元の写真家の藤枝宏さんが、発刊を祝してこんなコメントを寄せている。
発行:小川誠也/協力・文 遠藤顕一
写真集発送 心象舎・藤枝宏 電話・FAX0193-55-4622/価格:3500円(税別)


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