コンテスト情報

第28回日本の自然

コンテスト概要

 朝日新聞社は1983年に、豊かな自然を後世に伝えるため「21世紀に残したい日本の自然100選」を、国立・国定公園以外から選定しました。この趣旨により第1回写真コンテストも開催しました。第6回からは国立・国定公園も含めたあらゆる日本の自然へと対象を拡げました。
 28回目になる今回は「いつまでも守り続けたい日本の自然」をストレートに表現した作品を全国公募し、3,460点から81点が入賞しました。
 最優秀賞は、加藤明見さんの「クルミを運ぶニホンリス」に決まりました。このほか、審査委員賞5点、優秀賞10点、入選20点、都道府県一賞45点の合計81点の作品が選ばれました。


結果・講評

 自然を構成する多岐にわたる分野の作品が寄せられ、日本の自然の豊かさが改めて感じとられた。また、一年、一年の蓄積を感じさせるレベルの高い、独自の視点で切り取った作品が多かった。

 動物写真は、アップで撮影された作品に価値があったが、今回は少し引いて背景まで写し込み、自然がいかに大切なのか教えてくれる作品が選ばれた。一方で、彩度を上げすぎるなどプリント技術の甘い作品もあり、残念だった。水中写真、純粋な風景写真も少なく、もっと目を向けて欲しい。

 自然の解釈は時代によって変わっていく。動物写真でもなく風景写真でもない領域もある。カメラの高機能化もあり、今後もいろんな写真表現の可能性に挑戦して欲しい。

・最優秀賞「クルミを運ぶニホンリス」
 やせ細ったリスが頭ほどあるクルミを運んでいる。リスは体が小さく、動きが速くて撮るのが難しいが、構図がまとまっている。生息する環境も写し込んでいるなど、物語性があり、被写体への愛情が感じられる作品だ。

・竹内敏信賞「秋渓新雪」
 川の流れ方など日本の自然風景を象徴している。いつ溶けてしまうかもしれない雪。風景写真にもシャッターチャンスがあることを教えてくれる。最優秀賞に匹敵するが、ピントが浅く完璧でなかったのが残念だ。

・水越武賞「しぶき」
 海水を飲みに来たアオバトが波しぶきを浴びている作品。潮間帯でこのような場面をとらえるのは難しい。場所や条件など撮影者は、少ないチャンスをものにする自分の領域を持っている。

・岩合光昭賞「吹雪」
 猛吹雪の中、樹皮をうまそうに食べる北限のニホンザル。サルの表情がいい。アップで撮りそうな所をひいて、背景の雪の感じを出したことで、より寒さを表現している。シャッター速度も適切だ。

・今森光彦賞「孵化(カメムシ)」
 カメムシが孵化して、卵の殻の周りを取り囲み、体が硬くなるのを待っている。孵化後の決定的瞬間をマクロ撮影で、後方からの光をうまく使い、葉脈を浮かび上がらせるなど工夫して、うまくとらえている。

・朝日新聞社賞「初雪」
 山古志の初雪の降る情景をストロボを使い、うまく表現している。棚田の田んぼがあぜ道を覆った雪で区画され、印象的な作品になっている。白から黒までの雪のトーンが面白い。

審査員

竹内 敏信 (写真家、全日本写真連盟関東本部委員)
水越 武 (写真家)
岩合 光昭 (写真家)
今森 光彦 (写真家)
渡辺 幹夫 (朝日新聞東京本社写真センター長)
山本 雅彦 (朝日新聞大阪本社写真センター長)
山本 和生 (朝日新聞出版 写真部長)
早坂 元興 (アサヒカメラ編集長)
主催:
朝日新聞社・全日本写真連盟・(財)森林文化協会
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