第18回北関東写真サロンフォトコンテスト
応募者数=298名、応募点数=1897点
審査員 写真家・関東本部委員 榎並悦子
【総評】
北関東写真サロンは撮影場所を茨城県、栃木県、群馬県に限定した公募展ということで、審査をするまでは、それぞれの県の観光的な要素の強い作品が多いのではないかと思っていましたが、いい意味で予想が裏切られました。応募作品は多種多様で、自然や風物、イベントなど、知っているようで意外と知らなかった北関東の魅力を淡々と、また時にひねりの効いた視点で見事に切り取っていました。
最優秀賞の「集団の舞」は数百、数千というムクドリの乱舞を夕焼け空いっぱいにとらえていますが、夕方になると集まるという習性や、生息地の環境も見事にとらえています。優秀賞「時空への誘い」は、デジタルの高感度だからこそとらえることの出来た作品だと思います。ストロボを使用していたら、この厳かな雰囲気は台無しになっていたでしょう。優秀賞「イルミネーション」はインスタ映え、スマホという要素を盛り込んで、イルミネーションをより華やかにとらえた点に今の時代がよく反映されていると思いました。
カメラ機材の進化で、写真はひと昔前と比べると驚くほど簡単に写ってくれるようになりました。しかしその場にいないと写せないことに変わりはありません。地球上、ありとあらゆる場所が撮り尽くされてしまったように思うこともありますが、カメラを手に、好奇心を持ち続ければ、身近な場所でもまだまだ人の心に残る写真が撮れるのだ、ということを改めて感じさせられた審査でもありました。北関東の魅力はまだまだ尽きないことでしょう。さらなる意欲でたくさんの人を魅了する作品を撮り続けていただきたいと思います。