全日本写真連盟

第14回「北関東写真サロン」

【総評】全日本写真連盟関東本部委員  津田一郎
第14「回北関東写真サロン」の応募点数1594点でした。今年の運営担当は、群馬県本部・塚越委員長を初め、茨城県、栃木県、委員長ならびに役員の方々のご努力により、無事、審査をすることができました。審査は私、津田一郎と伊藤康雄関東本部委員長の二人でおこないました。
作品の傾向は、風景、ネイチャー、お祭り、街中のスナップ等、北関東ならではの写真で、心癒されるものがありました。四季の自然の風景と人物のスナップ写真を比べた時に、シャッターチャンスの分かり易いスナップ写真の方が有利にならないように配慮しつつ選びましたが、同時に風景写真を極める難しさも感じました。
私が北関東写真サロンの審査に関わって3年になります。この間デジタルカメラや、スマートフォンなどが急速に進歩し、誰でも上手に写せる時代になってみて、やはり写真へのこだわりや思い入れこそが大切なのではないかと思います。画家、横山大観の「現実にある、絵の具と筆を使い魂の世界を描く、これが難しいのだ」という言葉がありますが、私も、現実にあるカメラという道具を使って、魂の世界までをも心を込めて写し撮れるのかどうかと、考えています。フイルムからデジタルの時代になっても、自分の感性にこだわって、思い入れ深い作品を撮り続けることが大切だと思います。

 最優秀賞「朝もや」 江連 康晴(栃木県佐野市)

寒い朝、朝霧に廻りの景色が包まれ、逆光を受け3匹の愛犬と散歩する男性山々や道しるべをシルエットに撮ったのが良かった、画面に無駄がなく絵に描いた様な幻想的でまた寒季節をも感じる、素晴らしい写真です。

 優秀賞朝日新聞社賞「慈光の恵み」 菅谷 洋一(水戸市)

見事に筑波山にご来光、早朝ですのでここは川霧が立ちのぼり山々が見え隠れする一番良い時間帯、一面に咲き広がる赤いポピー、下方の黒面に赤い花が画面を一層引き締め感性の高い写真です。

 優秀賞全日本写真連盟賞「一息の時」 髙塩 定男(宇都宮市)

休日の昼下がりでしょうか、子供の遊具が散乱する中で若いご主人と背中のお子さんは爆睡状態、お母さんもつられて大あくび。シャツターチャンス良く、生活感を表現されたお見事な写真です。

 優秀賞アサヒカメラ賞「時には畏まって」 平  堅次(茨城県土浦市)

正座する5,6人の後ろ姿の前に並べたいっぱいの靴、小さな赤い絨毯には小さな男雛と女雛から察し、この中には5,6人以外大勢の方達がひな祭りの集いでしょう。この作者は写真表現が実に見事です、素晴らしいの一言良い写真です。

 特 選

「白昼夢」 田村 富子(群馬県伊勢崎市)
芝桜の季節に合わせて行われる「箕輪の里の狐の嫁入り」並んだ作品の中で、ひときわ色鮮やかで目立った、芝桜のピンクに黒い和服の行列、
シャッターチャンスも決まっています。

「出現」 佐海 忠夫(栃木県真岡市)
水溜まりに写り込む人物の影、目のように見えるのは泡、カラーなのだが、
ほとんどモノトーン、しかも作者は上下も反対にして見せている、不思議
で面白い作品です。

「任せて」 中山 元春(茨城県下妻市)
高校生の駅伝大会の写真、タスキを受け取った瞬間、体のバランスが前の
めりになり、髪も流れて、今、これしか無い瞬間にシヤッターを切り、力強い作品になりました。

「出発進行」 野本 伸一(長野県佐久市)
列車の車掌さんの表情がいい、窓ガラスに反射して映るピンク色の花、
遠ざかってゆく別の列車、良い写真と言うのは、画面の隅々まで良いと言
うけれど、本当ですね。

「トンネルを抜けると」 浅井 綾子(千葉県習志野市)
真っ暗なトンネルから、仲の良い男女が手をつないで歩いて出て来る、二人の表情も良く、望遠レンズの効果もあり、背景の黒と男女の明るさが際
立ち、心癒される作品です。

 準特選

「職人技」 石田 繁夫(群馬県渋川市)

「とまり木」 鈴木 是清(栃木県高根沢町)

「爆睡」 仲澤 正男(栃木県高根沢町)

「HATACHI」 新井 辰男(栃木県足利市山)

「好奇心(俺も見たい!)」 矢部 三智弥(水戸市)

「悪天候」 松葉 久雄(茨城県ひたちなか市)

「少女」 澤崎 房子(茨城県龍ヶ崎市)

「目覚める妖精」 石谷 修三(茨城県龍ケ崎市)

「笑顔の団体」 遠田 政治(埼玉県新座市)

「波紋」 神保 久子(千葉県柏市)

 秀 作

 入 選

全日本写真連盟からのお知らせ

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19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
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2022/08/01
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