武家屋敷跡などが残る佐伯市の旧城下町地区で2017年11月に開かれた「歴史と文学の道・佐伯撮影会」(全日写連県本部主催、佐伯市、同市観光協会、朝日新聞社など後援)の写真コンテスト審査が朝日新聞西部本社で開かれ、33点の入賞作品が決まった。
最優秀の推薦「朝日新聞社・全日写連賞」には、石田初喜さん(佐伯市)の「出会い」が選ばれた。講評は全日写連西部本部の藤脇正真事務局長(敬称略)。
少年が通り過ぎる「一瞬」を切り取った秀作です。和服女性と少年の距離感が絶妙で、見つめ合う表情もこの作品に花を添えています。風情ある板壁との対比も面白いですね。
女性の顔半分だけで勝負した神業的な傑作ですね。今まさに障子戸を開けようとした瞬間をパチリ。顔全体がなくても十分に愛らしい表情が伝わってくるクオリティーの高い作品です。
「さあどうぞ」「ちょうだいします」。縁側での2人の会話が聞こえてきそうな心温まる作品です。それぞれに手を伸ばした瞬間を捉えたタイミングはお見事。左隅にある手まりの存在が効果的です。
絶妙なシャッターチャンスで捉えた一枚です。風で舞い上がった裾を気にする女性モデル。その瞬間を見事に捉えています。白壁にのびた影がこの作品を後押ししています。
陰の立役者「カマキリ」をうまく画面に取り込みました。土塀に張り付くカマキリの存在が、山頭火モデルの不気味な笑みと相まって、ユーモアたっぷりの作品に仕上がりました。
僧侶の「目力」に圧倒された作品です。暗くなりがちな傘の下の表情をうまく引き出した技術はご立派。右下にいるもう一人の僧侶の存在がこの作品の重要な役割を担っています。