審査 写真家 小林紀晴氏
総評
東北地方には10代の頃から、写真を撮るために足繁く通っています。生まれ育った長野を別にしたら、国内ではもっとも写真を撮りに行っている場所です。ここ一年だけでも6、7回訪れました。
ですので、今回初めて東北写真サロンの作品を拝見しましたが、かつて自分が撮影したことのある場所やお祭りの写真などが幾つもあり、懐かしい気持ちになりました。
東北地方にはほかにはない多くの魅力があります。四季の変化の大きさ、自然の豊かさ、伝統行事やお祭り、習慣、風習などがいまも色濃く残っていることです。それが作品にも大いに反映されていました。これは他の地域のコンテストともっとも違うところではないでしょうか。このことをより意識されると、全国区でも作品が優位になると感じました。
そして先の東日本大震災で甚大な被害を受けたことも無視できません。写真を撮ることは被写体について深く考えることだと常々思っています。だからこそ、いまだ終わっていないその問題を写真に残し、伝え続けることはとても重要で大切なことだと思います。
東北写真サロンのますますの発展を願っております。