千葉県本部と朝日新聞千葉総局が主催で行われた「第42回千葉県民写真展」の5部門を厳正な審査の結果、素晴しい140点の入賞作品が決まりましたので発表します。募集部門は「自由」「課題」「ネーチャー」「花」「中学高校生」の5部門で行われ、千葉県内外から昨年を大きく上まわる作品 2,632点の応募をいただきました。応募作品の審査と講評を写真家の柿本完二氏と関東本部委員の大久保辰朗氏にお願いして、5部門の最優秀賞作品の中で最も優れた作品の「グランプリ賞」には「ネーチャー部門」で最優秀賞の坪井ひでこさんの作品「南房総初雪舞う」が選ばれました。
千葉県本部 委員長 村上 宰
【総評】
全日本写真連盟関東本部委員 大久保 辰朗
昨年拝見させていただいた作品に比べても、劣らないレベルの作品群は、審査する者の関心をより一層惹きつけてくれました。応募点数も非常に多く、特に中学高校生の皆さんの応募数が、他県より遥かに抜きん出ているのは、実に嬉しい出来事でした。
二回目となる花部門は植物のもつ美しさ、華麗さ、爽やかさ、色彩の妙などを独自の視点から捉える工夫が多く見受けられました。課題部門の「乗りもの」は、動力のある乗り物や、動物によるもの、はたまた人間によるものまで多彩を極め、陸、海、空と被写体の幅の広さにも驚かされました。ネーチャー部門からは、「グランプリ賞作品」にもあるように、空気感、季節感の漂う作品や、じっくりと時間をかけて対峙して作り上げたものが受賞の対象になったように思います。
自由部門は各自の得意分野の作品や、撮り続けている中からのチョイスだけあって、上手さの光るものが多数あり、審査の優劣選びに困難を迫られるような場面もありました。中学高校生部門については、青春真っただ中の自由奔放さがストレートに写真に映し出され、とても好感が持てましたが、中には社会派の鋭い表現も混在し、人間観察も大人顔負けする作品がありました。どの部門の応募者の皆さんも、今後更なる飛躍を続けていただければと願っております。
文句なしに凄い。檻のないガラス越しの動物園での作品でしょうが、大きく口を 開けた百獣の王の一瞬を捉えた力作です。普段見ることの無い光景につい凝視してしまいます。たてがみの色艶も魅力的です。(大久保辰朗)