朝日新聞社は1983年に、豊かな自然を後世に伝えるため「21世紀に残したい日本の自然100選」を、国立・国定公園以外から選定しました。この趣旨により第1回写真コンテストも開催しました。第6回からは国立・国定公園も含めたあらゆる日本の自然へと対象を拡げました。
28回目になる今回は「いつまでも守り続けたい日本の自然」をストレートに表現した作品を全国公募し、3,460点から81点が入賞しました。
最優秀賞は、加藤明見さんの「クルミを運ぶニホンリス」に決まりました。このほか、審査委員賞5点、優秀賞10点、入選20点、都道府県一賞45点の合計81点の作品が選ばれました。
【講評】
自然を構成する多岐にわたる分野の作品が寄せられ、日本の自然の豊かさが改めて感じとられた。また、一年、一年の蓄積を感じさせるレベルの高い、独自の視点で切り取った作品が多かった。
動物写真は、アップで撮影された作品に価値があったが、今回は少し引いて背景まで写し込み、自然がいかに大切なのか教えてくれる作品が選ばれた。一方で、彩度を上げすぎるなどプリント技術の甘い作品もあり、残念だった。水中写真、純粋な風景写真も少なく、もっと目を向けて欲しい。
自然の解釈は時代によって変わっていく。動物写真でもなく風景写真でもない領域もある。カメラの高機能化もあり、今後もいろんな写真表現の可能性に挑戦して欲しい。